両国の相撲文化は、本場所の15日間だけのものではありません。博物館の番付や錦絵、江戸の勧進相撲を支えた寺、相撲にゆかりのある神社、相撲部屋と商店が、今も日常の街の中でつながっています。このガイドでは、力士や住民を「見世物」にせず、文化の背景を2~3時間で読み解く歩き方を紹介します。
1.ルート概要
| 立ち寄り先 | 目的 | 目安 |
|---|---|---|
| 両国観光案内所 | 最新マップと休館情報の確認 | 10~15分 |
| 相撲博物館 | 番付、錦絵、化粧まわしを見る | 30~45分 |
| 回向院 | 勧進相撲の歴史と力塚を知る | 20~30分 |
| 野見宿禰神社 | 信仰と相撲のつながりに触れる | 15~20分 |
| 周辺の公道と商店 | 相撲部屋と街の日常を読む | 30~60分 |
全体で2~3時間が目安です。相撲博物館は休館日が多いため、公式カレンダーを見て日程を決めましょう。JR両国駅は国技館と回向院、都営大江戸線両国駅は野見宿禰神社側へ便利です。
2.なぜ両国は「相撲の街」なのか
江戸時代の相撲興行には、寺社の修繕や公共的な事業のために行われた「勧進相撲」という背景があります。回向院は1833年から春秋の定場所となり、1909年に旧両国国技館が完成するまで76年間「回向院相撲」の時代が続きました。そのため、現在も競技施設だけでなく、供養碑や神社に相撲の歴史が残っています。
3.相撲博物館:まず「モノ」から知る
- 住所:東京都墨田区横網1-3-28、両国国技館1階。
- アクセス:JR両国駅西口から徒歩2分、都営大江戸線両国駅A3出口から徒歩9分。駐車場なし。
- 通常開館:10:00~16:30(最終入館16:00)。
- 料金:通常期は無料。東京本場所中は国技館の観戦券が必要で、原則12:30~16:00。
- 休館:原則として土・日・祝日、年末年始、展示替え期間。例外が多いため日付別カレンダーは必須です。
150平方メートルの一室で年に3回展示替えを行うため、「いつでも同じ資料が見られる常設館」ではありません。博物館の入館には国技館客席への入場は含まれません。20名を超える団体は事前連絡が必要です。
4.回向院:供養の寺に刻まれた相撲史
- 住所:東京都墨田区両国2-8-10。
- アクセス:JR両国駅から徒此分。
- 拝観:境内の通常参拝は無料。特別行事は別規定の場合あり。
- 目安:20~30分。
回向院は明暦の大火の犠牲者を供養するため開かれ、後に弔う人のない命への供養も広く担った寺です。相撲はその歴史の一章であり、寺全体を「相撲スポット」とだけ見るのは適切ではありません。1936年の力塚は歴代相撲年寄の慰霊のため建てられました。墓所や供養碑を撮影小道具にせず、法要を妨げないでください。
5.野見宿禰神社:小さな「現役の神社」
- 住所:東京都墨田区亀沢2-8-10。
- アクセス:都営大江戸線両国駅A3出口から徒歩6分、JR両国駅東口から12分、国技館から15分。
- 参拝料:無料。所要約15分。常時職員がいる観光施設ではありません。
日本の伝承で相撲の起源と結び付く野見宿禰を祀ります。東京本場所前には日本相撲協会関係者が例祭に参列し、新横綱の奉納土俵入りも行われてきました。参道の中央を避け、静かに参拝しましょう。二礼二拍手一礼は目安であり、外国人を試すためのルールではありません。
6.相撲の街をどう読むか
旅の出発点は、JR両国駅西口直結の「両国-江戸NOREN」内にある両国観光案内所(横網1-3-20)が便利です。公表営業時間は10:00~18:00、東京本場所中は19:00まで。1月1~2日と不定期の施設点検日は休みです。相撲部屋の看板、高い窓、自転車や搬入の様子は、そこが稽古場であると同時に職場と住居であることを教えてくれます。
7.撮影と相撲部屋のマナー
- 明確に予約された見学以外で、部屋、稽古場、私有地に入らない。
- 窓越しの撮影、力士の待ち伏せ、追跡、無断自撮り、接触をしない。本場所中の国技館周辺での入り待ち・出待ちは協会も控えるよう案内しています。
- 商店内は撮影前に確認。神社仏閣では表示に従い、参拝者と供養碑の前で演出しない。
- 公式に手配された朝稽古見学では、静粛、座席、携帯電話、飲食、子供の年齢、途中退席のルールを予約先に確認する。
8.ちゃんこと買い物
「ちゃんこ」は相撲部屋で作り食べる料理の総称で、ちゃんこ鍋はその代表的な一品です。食べれば自動的に力士体型になる「特別食」ではありません。両国の店は気軽なランチから予約中心の夕食まで幅があるため、当日の税込価格、席料、最低注文、ラストオーダーを確認しましょう。食事制限がある人は魚出汁、鶏・豚、大豆、小麦、ごま、卵、共用厨房を確認してください。
9.モデルコースとFAQ
平日の博物館コース:観光案内所→相撲博物館→昼食→回向院→野見宿禰神社。休館日コース:観光案内所→公道から国技館外観→回向院→神社→街の商店。出発当日の朝にも営業を再確認しましょう。
稽古は自由に見られる?
いいえ。公式または部屋が明確に許可した予約だけを利用してください。
本場所中も歩ける?
公道は歩けますが、混雑と入場ルールが変わります。博物館には観戦券が必要です。
バリアフリーは?
公道は一般的な都市舗装ですが、寺社の地面や小規模店の入口は異なります。必要な動線は各施設へ事前確認してください。
公式参考資料:日本相撲協会「相撲博物館」、野見宿禰神社、回向院の歴史、回向院名所案内、両国観光案内所。情報確認:2026年8月26日。


